古田医院(内科・外科・胃腸科)千葉県・柏市
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お知らせ

院長を交代するにあたり

 昭和43年10月1日に、私の父は柏市明原で古田外科胃腸科医院を開院しました。今から40年前のことです。私は、当時2歳でしたが、医院の周りはほとんどが空き地で公園と銭湯があるだけでした。風の強い日は、柏中学校の校庭の砂埃が舞って、あたり一面が真っ白で、家の廊下がざらざらしていたのを覚えています。
 父は、(今の時代では考えられませんが、)医者一人で胃がんから胆石、虫垂炎、ヘルニア、痔などの外科手術をし、万年当直医として日々激務に追われていました。外来診療が終わると、休む暇もなく白衣から緑色の手術着に着替えて手術室へ。当然、父にはあまり遊んでもらった記憶もなく、そのかわりに入院患者さんや出入りの薬屋さん、職員さんと遊んでもらっていました。夜になると救急車が来て、窓越しにくるくる回る赤い光には不安を覚え、私自身も喘息があったためとても苦しい思いをしました。
 そんな父の背中を見て育ったからなのか、私は医者、それも外科医に憧れました。薬ではなく、自分の手で病気に苦しむ人を救いたい、それには外科医になるしかない。時間はかかりましたが、医者になり外科医として研鑽し目標は四分の一くらい達成できました。そのまま外科医として更に研鑽し外科医の道をまい進するはずでしたが、ここで自分がブラックジャックのようにはなれない、外科医には向いていないことに気付きました。腹腔鏡という手術が好きになれない、そして、癌で亡くなっていく患者さんを看取るのがつらい。自分が本当にやりたいことは、地域に密着し、おじいさん・おばあさんからお孫さんまで三世代にわたり主治医として日常の健康管理から病気の早期発見まで、かかわっていきたい、そのような医療だったのです。専門医ではなくて、よろずや的な立場で、必要があれば専門医に紹介するような医者、これが私の理想の医師像です。

 今年、柏第一小学校は創立100周年を迎えました。私が、小学校の6年生の時に創立70周年を迎え、記念式典で校庭のブロンズ像の台座にタイムカプセルを入れました。2008年はそのタイムカプセルを開扉する年であり、30年後の自分に書いた手紙を読めるそうです。また、長女が現6年生に在校しているのも偶然にしては出来すぎています。
 30年後の私は医者となり、40年前に父が開院した古田外科胃腸科医院(平成16年より古田医院に改名)を継承しました。これから30年、地元柏で地域医療の要となるべく日々頑張っていきたいと考えておりますので、今後も宜しくお願い致します。

                        古田 達之

2008年10月 1日 16:07